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「アバウト:NBAドラフト2020」5位以内は確実!?今季の全米大学バスケ最優秀選手!オビ・トッピンって何者?

どうもGです!更新が遅くなり申し訳ございません。

 

つい最近、アメリカで悲惨な事件が起き、デモが続いています。悪いことは、誰がやったって悪い。殺すなんて言語道断。それ相応の罰を受け、償うべきだと思います。もちろん、デモに乗じて盗みや暴力をふるった人もです。

 

アメリカの国内情勢は不安定な中ですが、つい先日、NBAの再開が決まりました!

7月31日からです!!

詳細は追ってブログに書こうと思っております。

 

はてさて、今回注目していくのは今季、バスケットボールの創始者の名を冠したネイスミス・カレッジ・プレーヤー・オブ・ザ・イヤー(シーズンを通しての全米大学最優秀選手)を受賞した大注目プロスペクト!

 

オビ・トッピンくんです!!

 

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(image's via/https://www.google.co.jp/amp/s/amp.lohud.com/amp/2907870001)

 

それでは早速プロフィールから見ていきましょう!!

 

[プロフィール]

オバディア・トッピン (登録名がオビ・トッピン)

年齢:22歳(1998年3月4日生まれ)

身長:208cm

体重:100kg

ウィングスパン:216cm

ポジション:パワーフォワード

出身地:ニューヨーク州ブルックリン

大学:デイトン大学

ニックネーム:OBI

背番号:1

 

ウィングスパンが長い!!体重は現役のNBAのPFと比べると、身長の割には軽い気がします。

 

さあ、ここからは彼の長所と短所を見ていきましょう!

 

[長所]

①器用なフィニッシュ

彼の魅力はなんと言ってもフィニッシュです!!ジャンプ力が高くそれを活かしたド派手なダンクが注目されがちですが、レイアップシュートのステップのバリエーションも豊かですし、ウィングスパンを活かしたフックシュートもお手の物です。しかも両手を遜色なく使いこなすことができます。アウトサイドシュートに関しては、あまり打っていない中でフォームやエアボールの多さが問題視されていますが、キャッチからのシュートはしっかり沈めますし、実際の確率も36%と、そこまで悪くなく成長の余地が十分にあります。

↓オビのハイライト(VS ジョージワシントン大)、今季オビの見せた107つダンクの中の1位からシンプルなプレーまであります。You must watch it!!!

②相手と仲間の動きをよく見たパス

彼は非常にうまくパスを捌くこともできます。しっかりとディフェンスを読み、正確なパスを出します。デイトン大学ではエースだったオビに、逆サイドのディフェンスがカバーに寄ったり、ダブルチームを仕掛けてきたりしましたが、落ち着いて、確実に、空いてる味方にパスを回しました。数字を見るとアシストよりターンオーバーの方が多いですが、彼のディフェンスを読む能力とパスの正確さは非常に優れていると言えます。

③ピック&ロール

彼のスピードとジャンプ力の高さを活かしたピック&ロールもまた武器です。①であげた動画の1分8秒ごろのところにもありますが、スクリーンをかけ、ロールしてすぐにガードの選手のふわっとしたパスからのアリウープというのはデイトン大学の作戦の一つでした。彼の早さと高いジャンプ力は、NBAの世界でも多用されるピック&ロールの際の脅威になるでしょう。また彼のシュート能力が上がれば、ピック&ポップ(スクリーンをかけてリングの方に向かうのでなくアウトサイドに出る)からの3ポイントシュートでますます守りにくいプレーヤーになれるでしょう。

[短所]

・ディフェンス

長所のほとんどはオフェンスでしたね。そこから予想できるように、多くのスカウトが彼のディフェンスには不安要素が多いと見ています。まずは彼のディフェンスフットワークです。オビのダッシュの速度は遅くないですが、ディフェンスの腰を落とした姿勢になると相手についていけなくなることが多いです。またオフボールのディフェンスも注意が散漫なことが多く、相手のピック&ロールに対しスイッチにいかなかったり、インサイドプレーヤーであるにもかかわらずボックスアウトをしなかったりなど、ディフェンス意識の改善が必要でしょう。

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そしてポストディフェンスは最も顕著な不安要素の一つです。まず彼は大学でセンターポジションで出場しており、相手のほとんどは彼より身長も体重も大きいプレーヤーをついていました。体格差はもちろん、それを補うフットワークもないオビは相手のオフェンスの穴として狙われることが多かったです。NBAでオビはセンターではなくパワーフォワードで起用されると考えられていますが、カレッジのプレーヤーよりも、大きいサイズかつ速い選手がゴロゴロいるので、ディフェンスの穴として見られないためにも、ディフェンスの全体的な改善が必要でしょう。

カンザス大のセンター、ウドカ・アズブケ選手のハイライト。非常にサイズのある選手で、マークしているオビはポストプレーで圧倒されている。

 

[NBA選手との比較]

毎年プロスペクトたちは元選手または現役のNBAプレーヤーとプレースタイルや能力を比較されます。オビはどんな選手と比較されているのかというと、フェニックス・サンズスティーブ・ナッシュとともに大活躍し、オールスターにも選出された名選手!

アマレ・スタウダマイアー選手です!

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(Image's via/https://athletenicknames.club/amare-stoudemire-stat/)

 

オビはゴーグルはつけませんが、機動力、ジャンプ力そしてチャンスがあれば派手なダンクやブロックをを狙いにいく姿勢はスタウダマイアーのプレースタイルと非常に似ているところがあります。オビ本人も、他の人によくスタウダマイアーみたいと言われるとインタビューで語っています。オビはあまりスタウダマイアーを意識していないと言いますが、彼のようにスラムダンクやスーパーブロックを僕たちNBAファンの記憶に刻んでくれるはずです!また、スターダマイヤーとナッシュの黄金コンビのように、優れたパサーと組めば、ピック&ロールから得点を量産できるはずです!!

↓アマレ・スタウダマイアーのキャリアハイライト

[推薦なしから全米最優秀選手、そしてNBAへ。這い上がってきたオビ]

高校のスーパースターだったスタウダマイアーは高校を卒業し、鳴り物入りNBAに入ったプレーヤーでした(現在は高卒ではNBAには入れない)が、そんな彼と比べるとオビは底から這い上がってきた苦労人なのです。

オビの父親は海外プロリーグでのプレー経験があり、また"Dunker's Delight"という名前で名を馳せたストリートバスケットボールのレジェンドで、オビは幼少期からボールに触れ合っていました。今のオビを見ると、お父さんがストリートで見せていたような、派手なダンクを中学生の頃ぐらいから量産しているように思えますが、彼が初めて試合でダンクを決めたのは高校最後のシーズンで、シンプルなダンクでした。しかもその時のオビの身長は190cm、NBAでいうところの、ガードの選手ほどしかありませんでした。オビは高校時代、地区の中では活躍しましたが、これといった賞や記録はなく、247Sportsが毎年選出している全米の高校最終学年の注目選手、550人近くの中には選ばれず、1部リーグから3部リーグまで、どこもオビに推薦状を送る大学はありませんでした。そこで、オビの母であるロニはバスケをやめて短大に進学させようと考えていました。

しかし高校を卒業した後で、転機が訪れます。オビの父と大学や海外リーグでプレーしたビクター・モナロスがストリートコートでプレーするオビを見たとき、彼のスキルの高さに驚き、短大にはいかず、プレップスクール(大学に行く前に入る学校。高卒の人も名門大学に入るための勉強や、高校では注目されていなかった選手がプロを目指すために入学することができる)に行くべきと考え、奨学金付きでのプレップスクールへの入学を手配し、ロニを説得しました。オビ自身はとにかくそこで頑張って、何部のチームであろうと推薦をもらうために頑張ろうと考えいました。そこでの1年間でトレーニングにより強い肉体を作ると同時に、身長も208cmまでのび、体格もスキルも磨きのかかったオビは頭角を現すようになりました。そして、いつしか多くのNCAA1部の大学から奨学金付きの推薦を受けられる選手になり、デイトン大学への入学を決めます。

学業の成績がよろしくなかったオビの大学1年目は勉強と練習のみで公式戦には出ることができませんでしたが、2年目からは大活躍し、地区でのデイトン大学史上初の地区の新人賞とトップ5に選出され、そして3年目、2019-2020シーズンはコロナウィルスの流行によって中断されたものの、チームを地区優勝に導き、個人としては素晴らしいスタッツを残し、各所から今季大学最高の選手と評され、カレッジバスケの賞として最も偉大なネイスミス賞を受賞しました。オビは誰も注目していなかったNYのプレーヤーから、全米で2万人近くいるカレッジプレーヤーのトップになり、NBAの注目の的となりました。インタビューでオビは「今自分の周りで起きていることが信じられない」と語っています。また、ダンクについてオビは「高校生の頃は全然ダンクができなかったから、今ここまで跳べるようになって、チャンスがあればいつでもダンクを狙うようにしているんだ。」と言います。彼のダンクは成長の印なのです!

大注目のオビですが、自身のこれからについて謙虚に語ります「いつどんな時も努力し続ける、その姿勢は変えない。高校の頃誰からも注目されなかったのが今でも、より上手くなってやるってモチベーションに繋がっているんだ。」

 

↓オビのネイスミス賞受賞記念のハイライト

以上オビ・トッピンについてでした!!無名から這い上がってきたオビのサクセスストーリーの続きをNBAで見れることを楽しみに待ちましょう!!

 

次回はラメロ・ボールについてです!!

 

読んでいただきありがとうございました!

 

[参考文献]

①「Obi Toppin」NBA Draft.net. Retrieved from https://www.nbadraft.net/nba-mock-drafts/ 

②Spencer Pearlman「Obi Toppin Scouting Report」THE STEPIEN. Retrieved from https://www.thestepien.com/2020/02/19/obi-toppin-scouting-report/

③「Obi Toppin's Dayton Highlights prove he is a top 5 NBA prospect | 2020 NBA Draft Scouting Report」NBA on ESPN on YouTube. Retrieved from https://youtu.be/yxpzVO39yCc

④Dave Monaco「Obi Toppin Scouting Report: 2020 NBA Draft Prospect」LINEUPS. Retrieved from https://www.lineups.com/articles/obi-toppin-scouting-report-2020-nba-draft/

⑤Ben Collins「OBI ONE: THE INCREDIBLE RISE OF DAYTON’S OBI TOPPIN」SLAM. Retrieved from https://www.slamonline.com/college-hs/obi-toppin-story/

⑥Zach Braziller「Once an afterthought, Obi Toppin turned Dayton into NCAA title threat」New York Post. Retrieved from https://nypost.com/2020/03/09/once-an-afterthought-obi-toppin-turned-dayton-into-ncaa-title-threat/amp/

⑦「2019-20 Men's Basketball Roster "Obi Toppin」Dayton University Flyers. Retrieved from https://daytonflyers.com/sports/mens-basketball/roster/obi-toppin/10161 

⑧「Obi Toppin uses his past to help fuel his future | CBS Sports」CBS Sports HQ on YouTube. Retrieved from https://youtu.be/wE4zQv5lPuA